西安から敦厚への飛行機から見た日傘(卷層雲)
現在の飛行機は、いとも簡単に敦煌へ連れていってくれるので、敦煌が荒涼たる世界の、
ほんの一握りのオアシスであることを忘れさせる。飛行機から見た日傘。
敦煌では綿花のつみ取りの時期だった。
ロバが綿花いっぱいの荷車を引っ張って行き、少年が声をかける。町の中心から莫高窟まで
、小一時間かかる。莫高窟は、東に開け、前方に三危山を望み、いつ来ても明るい雰囲気だ。
敦煌鳴砂山の夕焼け
敦煌莫高窟が開かれた頃、「大泉河」は、滔々と流れていたが、今は枯れ河だ。
敦煌はそのすぐ西はタクラマカン砂漠で、年間降水量は50mm程度。ほとんど晴れる。
http://www.dunhuang.gov.cn/DHjs.html
としても
現在の莫高窟の前は樹木豊富で、一部の木は既に黄葉していた。そして、それらの木の下で、
咲き乱れる「コスモス」を見つけたのは感動的だった。水がめは、敦煌の西側を
流れる、党河上流の党河ダムである。
そこに一輪の花を咲かせるにも大変な
苦労がいったろうにと思う。
かってのシルクロードの戦略的拠点も、現在は鉄道の駅は無い。敦煌からトルファン行きの電車
に乗るためには、ゴビの中を高速道路で走り、柳園までいかねばならない。ここからは、いわゆる
「故人無からん」の世界でも、植物は生きる。
敦煌から桃園への車窓
車窓から見ると、「月の世界?」みたいで何も無い世界である。敦煌莫高窟の前で咲いていた
コスモスがまるで夢のようである。
たっぷり三時間の旅で、始めて自分の手でゴビの感触を感じた。
柳園の駅は標高も高く寒い。北京時間との時差で、夜10時を過ぎても明るい。