cf.天平彫刻
毛利 久 小学館 ブックオブブックス 日本の美術(5)
基本的なデザインは京都 観音寺とよく似ていると言われているが、顔の表情はまったくの対称を成す。
又兵衛桜は聖林寺の東南東、わずか直線距離で8km位であるが、音羽山(852m)等の山並みでしきられる為、北へ大回りして行かねばならない。ちなみに、聖林寺近くを流れる寺川は大和川水系で、大宇陀町を流れる宇陀川は木津川水系である。
さて、聖林寺は奈良盆地東辺南部、桜井の南、多武峰へ向う山麓にあり、本堂の北窓からは眺望が開けて
気分が落ち着く。近くには桜の花が咲き、遠方右のうっすらと見えるのが三輪山で、いかにも大和という雰囲気をかもし出している。
「三輪山をしかも隠すか春霞人に知られぬ花や咲くらむ」 紀貫之 古今集 春下
ここらは大和川の上流付近、飛鳥にも近く、古代の歴史散歩にはもってこいの所である。飛鳥川は、古の飛鳥を流れて、奈良盆地を斜めに横切り、法隆寺付近で大和川と合流している。飛鳥川は実はもう一つある。河内飛鳥だ。こちらの飛鳥川は石川と合流し、さらに道明寺付近で大和川に連なっている。その合流点付近に、道明寺がある。いずれの飛鳥川も古代の遺跡を抱えており、興味深い。
現在は、聖林寺本堂の左手奥、観音堂に収まっていて、ガラス越しながら、ごく近くから拝むことが出来る。 としても、「陳列」されているといった感じを受けるし、広々とした本堂に安置する方法はないものか。
言い伝えによると、明治の廃仏毀釈のおり、この十一面観音は路傍に捨てられていたそうだ。その時でも欠損したのか。
観音寺の頭上面は金箔も美しく、後で補充したものだと思うが、この十一面観音像にしても化仏を補充すれば、一層輝いて見えることであろう。
和辻哲郎「古寺巡礼」では、聖林寺と法華寺の二つの十一面観音が紹介されている。聖林寺十一面観音の項で以下のような記述があり、大事なのでここに書き留めておこう。
「かくてわが十一面観音は、幾多の仏像によって養われてきた、永い、深い、そうしてまた自由な、構想力の活動の結晶なのである。」
名文ですね。
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桜井市には、聖林寺のほかに、長谷寺も有名。
長谷寺 真言宗高山派 総本山
国宝--法華説法図 --白鳳
重文--長谷観音として名高い十一面観音立像--木造
現在ののものは16世紀の作であり、古くからの像に基づいているらしい。
重文 --十一面観音立像 銅造 鎌倉
--地蔵菩薩立像 藤原
-- 不動明王座像 藤原
-- 難陀龍王立像
-- 赤精童子立像
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リンク先
奈良県桜井市
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